【RSAC 2026 現地レポート】 Day0_開幕前夜レポート 【RSAC 2026 現地レポート】 Day0_開幕前夜レポート
サイバーセキュリティ
2026.3.23
サイバーセキュリティ
【RSAC 2026 現地レポート】 Day0_開幕前夜レポート

こんにちは、VLCセキュリティグループ CISO 兼 VLCセキュリティラボ 代表の中本です。

いよいよ明日3月23日(月)より、世界最大級のサイバーセキュリティカンファレンス「RSAC 2026 Conference」が、
米国サンフランシスコのモスコーニセンターで開幕します。

本日は前日入りし、会場の様子を確認してきました。
今回からVLCセキュリティグループとして現地からリアルタイムでレポートをお届けします。

本日はDay 0として、RSACの歴史と今年のテーマ、そしてサンフランシスコ到着の様子をお伝えします。

📸サンフランシスコ現地より

会場となるモスコーニセンターの外観には大きな「RSAC 2026 Conference」のバナーが掲げられ、開幕ムードが高まっています。

街中ではサンフランシスコを象徴するケーブルカーが走り、RSACに向かう参加者の姿もちらほら。

到着後は地元のダイナーで名物のパティメルトサンドイッチをいただき、明日からのカンファレンスに備えました。

モスコーニセンター会場外観
サンフランシスコ名物・ケーブルカー
地元ダイナーでの食事

 

⚠️ 参加予定の方へ:チェックイン時の注意事項

【重要】会場入場時はID(政府発行の身分証明書/パスポート)が必要です

RSACへの参加登録を完了している方も、会場でバッジを受け取る際に必ず本人確認が行われます。
以下の点にご注意ください:

・有効な政府発行の写真付き身分証明書(パスポート、運転免許証など)を必ずご持参ください。

・日本からの参加者はパスポートを持っていきましょう。

・バッジなしでは会場セッションエリアへの入場ができません。

・チェックインカウンターは混雑する場合があります。余裕をもって開催前日にお越しください。

 

📖 RSACの歴史:暗号技術の研究会から世界最大のセキュリティイベントへ

RSACは現在、世界最大かつ最も権威あるサイバーセキュリティカンファレンスとして広く認知されていますが、
その起源は非常に小規模な暗号研究者のコミュニティ活動にありました。

設立の背景(1991年)

1991年、当時RSA Security社(現在のRSA Security LLC)のCEOであったジム・ビドゾス(Jim Bidzos)氏が中心となり、
最初のRSA Conferenceが開催されました。当初は暗号技術をテーマとした小規模なカンファレンスで、
最初のセッションはわずか1つのパネルディスカッション「DES and DSS: Standards of Choice(DESとDSS:選択の標準)」のみでした。
初回の参加者も数十名規模と非常に限定的なものでした。

成長と拡大(1990年代〜2000年代)

1993年には参加者が200名を超え、急速な成長を遂げていきました。
1995年には当時物議を醸していた米国政府の暗号バックドア政策「クリッパーチップ」に対する批判的な立場を明確にし、
会場に「Sink Clipper」のポスターを掲示。RSACは単なる技術カンファレンスを超え、
業界の政策議論をリードする場としても存在感を発揮し始めました。

1997年には参加者が2,500名に達し、2000年には欧州でも初の開催を実現。
2005年にはマイクロソフトのCEOであるビル・ゲイツ氏がキーノートを担当したことで、
暗号技術特化から広くITセキュリティ全般を対象とする総合カンファレンスへと進化したことが広く認知されました。

2008年には参加者1万7,000名、375社のベンダー参加、18トラック・230セッションという大規模なイベントへと発展しました。

アジア太平洋・中東への展開(2013年〜)

2013年にはアジア太平洋地域での初開催を実現し、グローバルな展開を本格化。
2015年にはアラブ首長国連邦(UAE)でも開催を開始し、真にグローバルなセキュリティカンファレンスとしての地位を確立しました。

ブランドの変革:「RSAC Conference」へ(2025年)

2020年にRSA ConferenceはRSA Securityとともに複数の投資家コンソーシアムに約20億ドルで買収されました。
その後、2022年にはプライベートエクイティ会社Crosspoint Capital Partnersが過半数の持分を取得し、
RSA SecurityはRSA Conferenceへの持分を完全に売却しました。

2025年には大きなブランド変更が発表され、
長年親しまれてきた「RSA Conference」から「RSAC Conference」へと正式に改称されました。
この「C」は「Community(コミュニティ)」を表しており、テクノロジーやツールだけでなく、
セキュリティを担う「人」と「コミュニティ」を重視するという姿勢を強く打ち出すものとなっています。

RSACの主な歩み

1991 RSA Conferenceとして第1回開催。暗号研究者の小規模な集まりとしてスタート
1993 参加者200名超。急成長の兆しを見せる
1995 クリッパーチップ問題に業界を代表して異議を呈し、政策議論の場としても認知
1997 参加者2,500名に到達
2000 欧州での初開催(RSA Conference Europe)
2005 ビル・ゲイツ氏がキーノート登壇。IT安全保障全般を対象とする総合イベントに進化
2008 参加者17,000名・375社のベンダー・18トラック・230セッション規模へ拡大
2013 アジア太平洋地域での初開催
2015 UAE(アラブ首長国連邦)での初開催
2020 RSA Security・RSA Conferenceが投資家コンソーシアムに約20億ドルで売却
2022 Crosspoint Capital Partnersが過半数持分取得。RSA SecurityはRSA Conferenceから分離
2025 「RSA Conference」から「RSAC Conference」へ正式改称。「C」はCommunityを意味する
2026 RSAC 2026 Conference開催。テーマ「Power of Community」。参加者は世界140か国以上から参集

 

🌐 RSAC 2026 テーマ:「Power of Community(コミュニティの力)」

RSAC 2026の公式テーマは「Power of Community」です。このテーマには、
現代のサイバーセキュリティを取り巻く課題に対する深いメッセージが込められています。

テーマの意味と背景

サイバーセキュリティの中心にあるのは、いかに優れたツールや技術よりも「人」の力です。

RSACは、異なる視点や経験を持つ人々が一堂に会し、知識を共有し、互いを支援し、

そして業界全体を「つながり」によって前進させる場として機能しています。

協働がイノベーションへと変わり、目的が行動へと変わる
——そうしたコミュニティが生み出す価値こそが、このテーマの本質です。

個々では解決困難な複雑なセキュリティ課題も、団結することで乗り越えられるというメッセージを強く打ち出しています。

 

RSAC公式メッセージ(要旨)

「サイバーセキュリティの核心にあるのは、あらゆるツールや技術を超えた、もっと力強いもの——それは人です。」

「一人で進めば速く行けるかもしれない。しかし、共に進めば遠くへ行ける。」

(アフリカの諺 / African Proverb)

 

〈テーマの4つのポイント〉

① セキュリティの本質は「人」にある ── ツール・技術だけでは不十分

② 多様な視点と経験が集結することで、業界全体が前進する

③ 協働がイノベーションを生み、目的が具体的な行動へと変わる

④ 団結すれば、課題に立ち向かうだけでなく、乗り越えることができる

 

VLCセキュリティとしての視点

VLCセキュリティグループとして、このテーマは私たちのミッションと深く共鳴するものがあります。

サイバーセキュリティは技術の問題であると同時に、組織・人・コミュニティの問題です。

私たちは単に製品やサービスを提供するだけでなく、顧客企業とともに「セキュリティコミュニティ」を育てていくことを重要な使命と考えています。

RSAC 2026では、この「コミュニティの力」というテーマのもとで、世界中のセキュリティプロフェッショナルと積極的に交流し、

最先端の知見をVLCセキュリティグループの活動に活かしてまいります。

 

📌 明日からの予定

3月23日(月)からいよいよRSAC 2026が本格開幕します。

Opening Keynoteでは業界を代表するリーダーたちが登壇し、AIセキュリティ、ゼロトラスト、OTセキュリティ、

脅威インテリジェンスなど多彩なトピックが展開される予定です。

VLCセキュリティグループでは、引き続き毎日の現地レポートをお届けしていきます。どうぞお楽しみに。

 

VLCセキュリティグループ CISO / VLCセキュリティラボ 代表

中本 有哉

RSAC 2026 現地より

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